悪魔に愛された男2

「角田さん火が消えてます、再度点火してください」と社員Aが教えると「え!!?あ、すんません!おかしいーなー、すんません!」と取り乱しまくる角田。 慌てて、チャッカマンで点火を試みる。カチッ!カチッ!。しかし点火しても一瞬は火が点くが、またすぐ消えてしまう。
ここで着火材を新しいものに交換すれば良かったのだが、くすくす笑う何人かの小学生達の声が、角田の理性を奪ってしまった。
耳を真っ赤にし、再度、着火材に火を点ける。しかし火はまた、すぐに消えてしまった。アハハハハハ!と我慢出来なくなった生徒達が笑い声をあげた。
見かねた社員Aが角田に近づく。「角田さん、着火材をあたら…角田さん!それ駄目!…」
あろうことか角田は、まだ燻っている着火材に直接オイルをかけている。
ピューーーーーー
着火材に残っていた火は、うわーい!と勢いを取り戻し、角田と着火材を繋ぐ、オイルの橋を渡る。
そして
角田に着火

作業着の右腕のあたりに、オイルが付着していたらしく、情熱的に腕に絡み付くファイヤーちゃん。
「ギャー!腕があぁ!」
唖然とする生徒達
生徒達の眼を隠そうとする教師
のたうちまわる角田
燃える右腕
「角田さーーん!!!」
社員Aは素早く消火器のホースの先を目標にむけ、安全ピンを抜き、起動レバーを強く握る。
プュッシューー! 
「しょうかあぁぁあ!!」社員Aの適切な判断により右腕に軽い火傷を負っただけで済んだ角田さんであった。

ちなみに、小学生達の無垢な心に鮮やかな傷を残したこの事件の数週間後、今度は角田さん、避難ばしごから落っこちて左腕を骨折しておりました。
悪魔に愛された男
今も元気に暮らしているのだらうか        ※聞いた話を元に、僕の想像で書いたエピソードですんで事実と違う部分もあると思います。角田さん(偽名)の名誉の為に。